電力会社の地中設備を長年支えてきた実績と専門技術で、OFケーブルの点検から漏油対策、緊急時対応まで包括的にサポートし、コスト最適化と安定運用を両立。経年設備の撤去やCVケーブルへの更新工事も、お客さまのニーズに合わせた最適なご提案を行い、効率的かつ高精度に実施します。
OFケーブルトータルメンテナンス
電力会社の地中設備を長年支えてきた実績と専門技術で、OFケーブルの点検から漏油対策、緊急時対応まで包括的にサポートし、コスト最適化と安定運用を両立。経年設備の撤去やCVケーブルへの更新工事も、お客さまのニーズに合わせた最適なご提案を行い、効率的かつ高精度に実施します。
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ケーブル内部に常に圧力を加え、絶縁油の温度変化に伴う油量の増減や油圧の変化も補償する装置。
給油装置(油槽)
油量・油圧の低下
ケーブルと油槽の間に給油管を介して設置され、給油系統の切り替えや絶縁油補充時の給油口として使用。
バルブパネル
給油管コネクタ部の漏油
ケーブルと電力機器を接続し、絶縁油の膨張・収縮を吸収する重要端末設備。
終端接続部
パッキンの劣化による漏油
絶縁油の供給・圧力維持を担う配管系統で、ケーブル性能の安定性を支える基幹部材。
給油管の接続部分(終端接続部)
給油管コネクタ部の漏油
電気の絶縁に紙と油(絶縁紙と絶縁油)を使用したケーブル電気を流す導体の周りに絶縁紙を巻き,絶縁油を含浸させたもの。
OFケーブルの構造
ケーブル部の漏油
ケーブルの接続点で、導体接続と油圧系統の連結を確保する継手部分。
中間接続部
鉛工部の漏油
OFケーブルからの漏油は単なる設備不具合ではなく、多岐にわたる深刻な問題を引き起こします。絶縁油の減少は絶縁性能を低下させ、最悪の場合、絶縁破壊事故に発展し広域かつ長期にわたる停電が発生します。さらに深刻なケースでは、絶縁破壊によって絶縁油に着火し火災へと拡大、地下トンネル内での延焼により周辺設備にまで被害が波及し、社会的に大きな影響を及ぼす恐れがあります。
環境面では、漏れ出した絶縁油による土壌・水質汚染の恐れがあり、特にPCB含有油の場合は厳格な法規制対象となるため、環境法令違反という法的リスクも発生します。
さらに経済面では、緊急対応コストや環境修復費用の発生に加え、計画外停電による事業損失、信用低下など二次的な影響も看過できません。このように、複合的なトラブルリスクをはらむ漏油が発生した場合は、迅速かつ適切な対応が不可欠です。
OFケーブルは優れた耐久性を持ち、適切な管理のもとで長期間にわたって使用可能な設備です。しかし、その信頼性と安全性を維持するためには、定期的なメンテナンスが不可欠となります。
特に長年使用されているケーブルにおいては、絶縁油の分析診断が健全性確認の有効な手段です。この分析により、ケーブルの劣化状態を正確に把握し、適切な時期に必要な対応を行うことができるため、定期的な分析をお勧めいたします。
また、OFケーブルの絶縁油にはPCB(ポリ塩化ビフェニル)を含有しているケースがあることが確認されています。環境保全と法令遵守の観点から、PCB含有の有無を確認することは非常に重要です。
当社では、OFケーブルの点検や補修、そして改修までの全ライフサイクルにわたりトータルサポートし、お客さまの設備が安全かつ最適な状態で機能し続けるよう支援いたします。
STEP.1
維持管理する設備の現状把握を行い、必要な点検や改修計画を策定します。
また、所有しているOFケーブルのPCB含有の有無についても、処分期限が迫っているため確認が必要です。
・絶縁油採取
・絶縁油分析によるPCB有無確認
STEP.2
事故による被害拡大を未然防止するため、定期的な設備の健康診断を実施し、しっかり健全性を確認します。
・漏油有無などの外観点検
・給油装置の油量油圧点検
・絶縁油サンプリングによる健全性確認
・漏油等の警報装置の健全性確認
STEP.3
万一の事故やトラブル対応を迅速・的確に実施し、操業停止期間短縮、漏油による環境への影響を未然に防止します。
・漏油調査(状況確認)
・漏油仮補修(油の漏れを止める)
・漏油本補修(再鉛工、解体再接続)
・絶縁油補給(不足した絶縁油を補充)
・事故・トラブル原因調査・分析
STEP.4
PCB含有設備処分や設備信頼度維持のため経年ケーブルの計画的改修を行います。
・必要な電力容量と現場実態に応じた設計
・OFケーブルの撤去と処分
・絶縁油未使用のプラスチック系絶縁体CVケーブルによる引替・改修工事
国内電力会社が保有するOFケーブル設備の約4割は東京電力パワーグリッド株式会社の設備であり、当社はこれらの設備を数十年にわたって維持・管理してきました。この豊富な実績と高度な技術力を基盤として、お客さまに安心と信頼のメンテナンスサービスをご提供しています。
TDSのトータルメンテナンスでは、設備状態を的確に診断し、最適な保全方策をご提案します。これにより、設備トラブルの未然防止とメンテナンスコストの低減を同時に実現します。さらに、漏油などのトラブル発生時には、迅速かつ確実な補修対応を行い、設備の安定運用をサポートします。
OFケーブル設備の点検、診断、緊急対応、そして設備更新に至るまで、ライフサイクル全体を通じた包括的なサービスを一貫して提供することで、お客さまの大切な設備を守り、安定運用に貢献いたします。
あらゆるメーカーのOFケーブルに対応した保守・点検サービスをご提供しています。各メーカーのケーブル構造や特性を熟知し、多様な設備構成や仕様に精通した技術力でトータルサポートいたします。
STEP.1
給油管コネクタ部からの漏油
STEP.2
新しい給油管(コネクタ部)を用意
STEP.3
新しい給油管に取替
STEP.4
給油管取替後
STEP.1
中間接続部からの漏油
STEP.2
鉛工部からの漏油が判明
STEP.3
既存の鉛工を除去
STEP.4
新たな鉛工ハンダで鉛工部を形成
STEP.5
鉛工補修後
OFケーブルの保全には、絶縁油の取り扱いや火気使用を伴う作業など、高度な専門技術が不可欠です。
TDSでは、長年OFケーブルの専門技術を培ってきたエキスパートが、豊富な経験と知識で確実な保全作業を実施しています。また、次世代の技術者育成にも注力しており、定期的な実技訓練と技術継承プログラムを通じて、若手社員の早期戦力化を図っています。こうした取り組みにより、将来にわたって安定した高品質サービスのご提供を実現しています。
端末キャップ鉛工作業
中間接続部鉛工作業
※鉛工作業とは?
OFケーブルの端末や接続作業において、絶縁油の漏れを防ぐために鉛を高温で溶かしながら封止処理を行う作業のこと
接続部組立 小幅絶縁紙巻き
接続部組立 幅広絶縁紙巻き
部分補修、設備更新からCVケーブルへの更新まで、お客さまの実情に合わせた最適なソリューションをご提案します。コスト効率と運用性を考慮したプランをご提案し、中長期的な視点で設備の最適化をサポートします。
最新の分析機器と独自の診断技術を駆使した絶縁油分析により、ケーブルの劣化状態を高精度に評価します。科学的根拠に基づいた診断結果から、必要な対策と適切な更新プランを立案し、設備の長寿命化とコストの最適化を両立します。
STEP.1
STEP.2
STEP.3
STEP.4
Point1
活線採油コネクタ
Point2
油中ガス分析
Point3
ICP課電劣化診断
【技術情報】絶縁破壊事故のリスクを軽減。ICP課電劣化診断とは?
項目 | 特性 | |
---|---|---|
1 | 耐内圧特性 | 1.37Mpa(14kgf/cm2・G)の油圧またはガス圧に30分耐え、漏れ、その他異常の無いものとする |
2 | SF6ガス機密特性 | 1.37MPa(14kgf/cm2・G)のSF6ガス圧に耐え、30分後ガス漏れが無いものとする。 (SF6濃度は10%とし、判定基準は蓄積法で1ppm未満とする) |
3 | パルプ開閉 | 1.37MPa(14kgf/cm2・G)の油圧またはガス圧にてバルブを開閉し、放出・遮断にて漏れ、そ他異常の無いものとする。 |
4 | 雷インパルス耐電圧 | 試験電圧-55kVに3回耐え、異常の無いものとする。 |
5 | 絶縁抵抗 | 1000Vメガーで測定した時、100MΩ以上とする。 |
6 | 水密特性 | 98kPa{1kgf/cm2}の水密に対して、水侵人が無いこと。 |
7 | ねじり荷重 | 3.3N・mのねじり荷重に耐え、異常の無いこと。 |
OFケーブルは、絶縁油分析による健全性確認や、漏油発生時の適切な補修・給油対応によって長期間にわたる使用が可能な信頼性の高い設備です。
しかしながら、近年顕在化している環境問題、特にPCB含有機器に対する国の厳格な規制方針や、万一の設備事故発生時における近接設備への波及的な被害拡大リスクが、重大な課題として認識されるようになっています。
これらの環境リスクや事故リスク、また将来的な資材調達リスクを同時に解消できる最適解として、多くの設備保有者に選ばれているのがCVケーブルへの更新です。
低濃度PCB廃棄物の法定処理期限は、2027年3月31日までとなっています。この期限を遵守するために、まずはお客さまが所有しているケーブルにおけるPCB含有の有無をご確認されることが極めて重要です。
PCB含有が確認された場合は、環境大臣から個別に認定を受けた無害化処理認定事業者、または都道府県市の長からPCB廃棄物に係る特別管理産業廃棄物の処分業許可を得た事業者への適法な処理委託が必要となります。
また、この機会に絶縁油を一切使用せず環境負荷の低いプラスチック系絶縁体を採用したCVケーブルへ更新されることをお勧めいたします。
CVケーブル引替工事
過去の事例として、電力ケーブル敷設専用の地下トンネル内に設置されていたOFケーブル接続部において絶縁破壊が発生し、これを発端とする火災が周辺の複数電力ケーブルへ急速に延焼したことで、ケーブル断線による広範囲かつ長時間の停電事故に発展した事例が報告されています。
こうした重大事故リスクを受け、国内電力会社各社は170kV以上のOFケーブルについて、順次CVケーブルへの計画的な切替えを進める方針を表明しています。
(経産省主催第15回電力安全小委員会(2017.3.21)資料より引用)
洞道火災
国内メーカー各社がOFケーブル及び付帯設備の製造を順次終了していく方針を発表しており、設備維持・保全が困難な時代へと移行しています。今後トラブルが発生した場合、修理に必要な部材の調達が極めて困難となり、緊急時の対応や長期的な設備保全が実質的に不可能となるリスクが高まっています。
部材供給の終了は、既存OFケーブル設備を継続使用していく上で、現実的な障壁となりつつあります。
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電気・インフラ設備のお役立ち情報